らくがき

「のほほん」ってローマ字で書いたら、後ろから読んでも「のほほん」になることに気付いた時の感動といったら。

アフィリエイトの出口戦略?サイト売買の話。

こんにちは、とみたです。

この夏はセミナーやお茶会に参加したり、ありがたいことに飲み会やスカイプに誘って頂いたり、何かとアフィリエイターさんと話す機会が多くなっています。

なーしたり…

 

なーしたり……

 

そして、なーしたり。

 


あとはポケモンしたり。

 


そんなタスクとポケモンが着々と貯まってきている中、先日サイト売買の仲介を行っている会社の代表に話を聞いてきました。


以前にも何度か書いたかもしれませんが、僕が今のサイトを作り始める際、そこに自分がやる意味を感じられることや、ネットでの集客に挑戦することを意識していて、もしそれに飽きたり役割が終わっと感じたら、サイトを売ってしまってもいいという考えがあります。

今はまだまだその段階ではなく、挑戦するという意味では、逆に誰かが作ったサイトを買って、それをテコ入れするのも面白そうだと思っています。


そういう両方の可能性を考えて話を聞いてきたので、興味があればどうぞ!

ただ、今回は受け売りの部分が多く、主に税制的なところなどはあいまいな表現が多くなりますが、ご容赦くださいませm(__)m


そもそもサイト売買とは?

そもそもサイト売買とは何なのか、かんたんにおさらいしておきます。

サイト売買というのはその名の通り、サイトそのものを売り買いすることです。

 

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(サイトストック 売却案件一覧)

 

アフィリエイターにはおなじみの中古ドメインは、被リンクや運営歴などによるドメインの強さを基準に取引されているかと思いますが、サイト売買は利益を基準に取引されます。

その利益を上げるためには検索流入や会員数などのベースが必要で、それだけの価値を見て売買されることもありますが、基本は利益を基準に値段が決められています。


そういう意味で、中古ドメインよりも取引に求められる要素が多いのですが、逆に人材やクライアントとの契約などは基本的に引き継がれません。
それらをひっくるめて売買する場合は企業買収、いわゆるM&Aの形が取られ、価格帯もより高くなります。

いずれも売主と買主の交渉次第なので、ハッキリとした線引きがあるわけではありませんが、ドメイン売買』『会社売買』の中間的な位置づけとして、『サイト売買』があり、後半で紹介するメリットデメリットにもこれが関係してきます。


サイトの取引方法と手数料

取引はサイト売買を仲介するサイトを介して行われることが多く、次のようなサイトが有名です。

サイトストック
サイトキャッチャー
サイトM&A


方法は主に2通りで、これらのサイトを運営する会社は売却案件の紹介だけ行い、交渉や取引は当事者同士で行う方法と、紹介から仲介業務まで任せる方法があり、前者は取引額の~3%(下限5万円)、後者は~10%+基本料の手数料が売主・買主共にかかるのが相場のようです。

 

ただ、売買額が億を超えるようなサイトは、売主が情報を公にすることを嫌い、一部の顧客にのみ声をかけて取引する案件もあります。
また、個人サイトに企業から声がかかることもあるでしょうから、公開されている売却案件だけがすべてではありません。


人気のサイトと相場について

今回話を聞いたサイト売買の会社には、月に50件ほどの売却希望の案件が入ってくるそうです。
そのすべてがマッチングするわけではないのですが、中でも検索エンジンから集客できているアフィリエイトサイトや利益が出ているECサイトが人気とのこと。


その売買額は利益ベースで決まり、月の収益の12~24倍が目安になります。。
月100万円の利益が出ているサイトなら、1,200~2,400万円で売買されるということですね。

それも交渉次第なので、売り手が売り急がなければ、複数の購入希望者による競争で値が釣り合がることもありますし、システム自体の価値やリピーター、会員数などの顧客、取引先や仕入れ先などの関係性が付加価値となって、価格に反映されることもあります。

ただし、これらは収益が右肩上がりか横ばいで、将来性がある程度見えることが前提で、右肩上がりの場合は評価も下がります。


サイト購入のメリットデメリット

上記の相場を購入者側の利回りで考えると50~100%で、手数料を加味しても1~2年強で回収できることになります。
10~20%とされる不動産投資の利回りと比べるとかなりの高水準で、これだけでも十分魅力的です。


ただ、まったく異業種のサイトを購入するケースは少なく、ある程度知識やノウハウがあって、0→1になったサイトを買い、利益を1→10に増やせる見込みがあるか、本業とシナジーがあり、アクセスや顧客リストなどの利用価値を見込んで購入するケースが多いそうです。

アフィリエイターが購入するケースで考えてみると、例えば今あるサイトの実績を元に特単をもらえるとか、SEO対策や導線の改善によって流入や成約数を増やせる見込みがある、他にもテーマが同じサイトがあり、バックリンクやアクセスを送れるなどの可能性があれば、購入意欲が高まるかと思います。

 

注意点としては、原則的にサイト売買では、個人や会社と結んでいる契約は引き継がれません。
運営者が変わると契約書も巻き直さなければならないのが通常で、契約内容が悪い方向に変わってしまったり、契約が継続できない可能性も考えられます。

例えばクレジット決算や仕入れのあるECサイトでは、会社の信頼度が手数料や条件に影響し、利益率が下がってしまったり、最悪の場合は仕入れができなくなるかもしれません。

アフィリエイトサイトでも、前運営者はもらえていた特単がなくなったり、金融系などの提携条件が厳しい案件だと、提携できなくなるリスクもあります。


とはいえ、購入者はそれらの価値があるからこそ購入するわけなので、実際にはASPの情報なども引き継ぐ取引が多いようです。
ただし、売主が複数サイトを同じASPで運営していたらそれは難しいでしょうし、利用しているASP、広告主次第でもあります。

 

ここまではサイトそのものがもたらすメリットデメリットですが、もう1つ大きいのが節税効果です。
ただ、これはちょっと難しい面があって、キチンとしたガイドラインがないというのが現状のようです。

税理士さんに確認したところ、考えられるボーダーラインは、「30万円以上かどうか」「その効果が1年以上続くかどうか」「継続利用できるシステムがサイトに組み込まれているかどうか」で、資産として経費計上して5年償却となるか、一括償却できるかどうかが決まると言います。


では仮にシステムが含まれないサイトを購入したとして、一括償却ができるか?ということなのですが、話を聞いたサイト売買の会社を介して取引した場合、両者で『事業譲渡契約』を交わすそうです。
広告宣伝費という名目であれば、資産という概念からは外れるかもしれませんが、事業の譲渡という名目であるからには、資産として捉えるのが妥当という見解でした。


この辺は安易に結論付けられないところですし、管轄の税務署やその担当者によっても見解が違うという話もあるので、キチンと確認した上で、一つの参考意見として見て頂けたらと思います。


売却する理由やメリットデメリット

利回りがよくて節税効果もあり、購入者の方がメリットが大きく思えるサイト売買ですが、それでも売却する理由もいくつかあります。


まず、企業にも0→1を作るが得意なところもあれば、1→10に伸ばすのが得意なところもあります。

例えば、Web製作のスキルがあれば、しっかりした構造のサイトを作ることは得意かもしれませんが、そこから成長させるマーケティングやデータ分析は苦手分野かもしれません。
であれば、ある程度頭打ちになったところで手放し、それを資金として得意な事業に専念するというのは、売却のよくある理由だそうです。


売却のタイミングで見ると、このような自分の能力での限界というのも1つですし、成熟していない市場であれば、成長段階で売ってしまうこともあります。

幸い、バリューコマースが設立してから20年経つ今でも、僕のような一個人が戦っていけるのが今のアフィリエイトの状況ですが、有名な比較サイトがいくつかのジャンルに参入してきたり、いつ資金力があるところに持っていかれるか分かりません。。

まとめサイトも、数年前は個人のライターがNAVERを使って活躍できたでしょうが、大手がキュレーションメディアに力を入れてくると、なかなか厳しくなってきます。

そういう動きをいち早く察知して、厳しい状況下に置かれる前に売り抜けてしまうというのも、売却理由の1つです。


それから、アフィリエイトは経費がほとんどかからないので意識しませんが、
初期投資をしたものの成長の見込みがなくて事業撤退を決め、少しでも回収しようとサイトを売るケースもあります。

この場合は利益が出ていないものの、システムなどの価値で取引されます。


このような理由があって手放すので、特筆するようなデメリットもありませんが、全額受け取れるわけではないことには注意です。

その1番の要因が税金で、特にバイアウトと考えて個人の所得にしたい場合は、所得税が高額になる可能性があります。
ある程度の規模のサイトを出口戦略として売却するのであれば、会社ごと売った方が税制的に有利で、購入側もリスクが抑えられるなどのメリットがあるそうなので、目的に応じて利用するのがいいですね。


補足

最後は微妙な着地になってしまいましたが、可能性を秘めていることは間違いありません。

例えばヤフオクで出品する人の多くが使っているaucfunという落札データを集めたサイトは、元々個人が運営していたものを譲り受け、今や上場するまでに成長しています。


アフィリエイトという枠組みで考えれば、広告ありきで逆算して組み立てた方が効率よく結果につながるでしょうが、純広告や直接契約、そしてこの売却など、より多くの可能性を見て運営していくのもまた、面白いと思います。

 

ではでは!